「社会ファシズム論」の悲劇を繰り返してはならない 投稿者:柘植洋三 投稿日:3月13日(火)06時13分36秒
赤旗のトップ記事
 共産党の新聞赤旗の3月11日号のトップに以下の記事がある。
 十日、日本共産党の演説会が東京・新宿区の明治公園で志位和夫委員長を迎えて開かれました。一万三千人が参加し、熱気にあふれました。
…中略…その上で、立候補を表明している民主党支援の浅野史郎氏が、宮城県知事時代、福祉切り捨てと大型開発推進の「逆立ち」県政を「オール与党」に支えられて進めてきたことをあげ、「石原知事とまったく同じ流れの人物だ」と批判。「二つに分裂した『オール与党』の陣営と、日本共産党と無党派が共同して推薦する吉田万三さんの対決こそ真実の姿だ」とのべ、「その対決構図を広く都民に知らせ、無党派と日本共産党の共同の輪を広げに広げ、吉田万三さんで都政に『福祉の心』を取り戻し、『都民が主人公』の都政を取り戻そう」と呼びかけました。
 これを読むと、共産党の中央が進んでいるのは、ヒットラーに権力への道を掃き清めた社会ファシズム論を想起せざるを得ない。
 1930年代初頭、台頭するファシズムの危機の中で、当時のドイツ共産党の機関紙『ローテ・ファーネ』はスターリンの次の言葉を掲載している――「ファシズムとは、社会民主主義の積極的支持に依拠するブルジョアジーの戦闘組織である。社会民主主義は、客観的には、ファシズムの穏健な一翼である」

社会ファシズム論
 かくして、強大な影響力のあったドイツ共産党は、社会民主主義をファシズムの一翼として罵り、むしろ当面の攻撃目標にしたのだった。労働者と人民はファシズムに対して共同し、統一する方向を失い、分裂しヒットラーの権力を許した。当然のことながら、社会ファシズム論に強い疑問を持つ党員や支持者も沢山いた。しかし、この時代のドイツ共産党中央の権威は凄まじいものがあり、権力を取ったヒトラーに次は自分達が徹底的に弾圧される地獄への道に付き従わざるを得なかった。
 現在の日本共産党中央の権威は、そんなに強大ではない。憲法改悪が前面に出てくる中で、九条の会を始め、各地での平和共同候補の動きなど、共産党の内外で共同して憲法改悪の流れを阻止しようという動きが起きている。その動きは、当然、浅野さんを共同候補として、石原三選を阻止しようという大きな流れに連結している。
 「二つに分裂したオール与党」なる、志位委員長の10日の演説は、スターリンの犯した数々の間違いの中でも最大級を占める『社会ファッシズム論』の焼き直しであるとともに、共産党内外の共同し統一して憲法改悪の流れと戦う勢力への説得力の無い脅しだ。

「おかしなオール与党化論」
 志位委員長が、浅野氏批判で「福祉切り捨てと大型開発推進県政」と罵っていることがいかに根拠が無いものか、当サイトで紹介している数々のホームページのデーターを参照していただきたい。さらに、浅野氏が発表している立候補を表明するに当たって発表したマニフェスト(当サイト「浅野さん立候補決意」)をごらん頂きたい。
 宮城県政でも「オール与党」国政でも「オール与党」との決めつけが乱用されるが、せめて『共産党以外のオール与党化』とか表現しないと、共産党を含んで全てが与党化していると主張しているように聞こえる。共産党は、「言うまでもなく」「絶対に」与党化しないから必要ないというのだろう。そこがおかしいのだ。共産党無謬論が、1928年以降、歴史にどんな悲劇を積み重ねてきたかこの機会に振り返って欲しいものだ。
 今、この東京で、石原打倒のための共同戦線が構築されたら、全国にその勢いは波及し、石原的なファシズムに対抗する強大な陣地を構築するだろう。そこに、今次東京都知事選挙の重大な意義がある。
 私たちは、志位委員長がどのように罵ろうが、あくまでも統一し強力な共同戦線を作ることを呼びかけよう。

2007年3月12日