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フランス大統領選挙第一回投票結果 投稿者:まっぺん 投稿日:2007年 4月24日(火)15時55分8秒 http://www.ourcampaigns.com/RaceDetail.html?RaceID=41758 より ニコラ・サルコジ/国民運動連合(内務省長官) 31.18 ●政界主流の右傾化と左派惨敗 開票率100%の各候補得票数です。ブザンスノーは4・08%、149万8835票で第五位でした。LCRが提唱していた「反資本主義左派統一戦線候補」が挫折し、左派がそれぞれ独自候補を立てた結果、票が分散し、大方の予想どおりサルコジとロワイヤルの決選投票となったわけですが、反資本主義左派は全体に大きく後退し、ブザンスノーのみが前回とほぼ同水準を維持した他は全て1%台。左派各候補の得票を合計しても、LCR+LO+緑+共産党+ボヴェで合計10・23パーセント。ランベール派も入れるとルペンの10・44を辛うじて抜いて10・57%。ようやく第四位になる数字です。 今回、反資本主義左派票の合計は前回の2002年の時と比較し、急進左翼党も入れると得票率で21・4%から10・6%へ、得票数では609万票から388万票へと激減しています。これは「左派の後退」を意味するのでしょうか? 政界主流を見ると、第一位のサルコジは、内務省長官の時の暴動青年達に対する態度を見ても、保守派の「最右派」と言っていいようだし、二位のロワイヤルも社会党の中では右派と見られています。そこに登場した中道のバイルーは前回の3倍近くの18・57%をとって第三位。だから有力候補者の多数、つまり「政界の主流」が右に傾いているのは確かです。ちょうど日本の保守派が石原、安倍を主流として右傾化しているように。 ●政界右傾化と決起青年たちの受け皿 ではそれは「フランス市民が右傾化している証拠」となるのでしょうか? もしそうなら一昨年、昨年と続いた全国的闘争は何だったのだろうか? 海外領土出身移民への差別をきっかけとした暴動、そして青年の雇用差別に対する高校生・大学生の全土での決起、さらには欧州憲法否決の事態を見れば、「フランス市民が右傾化した」と単純には言えません。青年たちの行動は、彼らが現在の右傾化しているフランス政治に強い不満をもっている事を示しています。つまり、「フランス市民が右傾化している」のではなく、選挙における選択肢として「右派の選択」しか提示されない状態にある(左派はバラバラで選択肢にはなり得ない)。だから選挙では右派が勝っても、選挙以外の政治的表現では全国的決起が起こるのだといってもいいでしょう。 問題は、これらの決起を選挙闘争においても受けとめられるような「受け皿」として左翼が伸びていく事です。LCRが「反資本主義左翼統一戦線候補」擁立を目指したのも、この受け皿を作る事が目的であった事はまちがいありません。今回の大統領選挙に向けて、そのための協議機関として、欧州連合憲章否決の闘争の時に全国的に発生したコレクティブ(自主的評議会組織みたいなもん?)が活躍したのですが、共産党がセクト主義的に自派系のコレクティブをたくさん作って多数派工作を行ったとか。 ●左派統一戦線候補擁立の失敗 統一戦線候補擁立の努力が失敗した原因は、そうした共産党のセクト主義もあるでしょうが、統一戦線会議に向けて結集した共産・緑・ボヴェ・LOの各派が、結局「自派の候補を統一戦線候補にする」事を第一の要求とし、「反資本主義左翼」として社会党との連立を拒否する事の重要性を曖昧にしたからであるようです。左派の各派は、共産党にしてもボヴェにしても、社会党との共闘(入閣)の可能性を拒否しなかったわけで、もしこのまま統一戦線が成立していたとしたら、結局、社共緑にボヴェが加わっただけの資本主義に妥協的な「左派連立政権」が誕生する事になっていたかもしれません。 「右派を打倒するためにはそれでもいいじゃないか!LCRはセクト主義である」と言うべきだろうか?「保守派の浅野氏を擁立する左翼が、社会党を拒否するのはおかしい」と言うべきだろうか? 日本とフランスの違いがそこにあるようです。フランスでは長期にわたって社会党連立政権が成立してきました。ところがその社会党支配下のフランスで福祉は削られ、貧困や失業の問題は深刻化してきたのです。つまり多くのフランスの貧困者にとって社会党は「資本主義の害悪を押しつける加害者」の手先でしかなく、それを乗り越える勢力が登場しなければ「右でも左でも同じ事じゃないか」…と理解されていると思われます。フランス社会党は、弱者の立場に立って福祉を重視することを掲げた浅野氏よりも「右」なのです。 ●2002年と今回の投票動向の比較分析 フランス市民が社会党をそう理解していることを示すのが、前回2002年の大統領選挙の結果でした。第一回投票では、政権党は右派も左派も得票を激減させました。そのためにルペンが第二位に浮上し、社会党ジョスパンが僅差で破れたために、右派シラクと極右ルペンとの決選投票となったわけです。この時、「政権党が得票を減らし、極右と極左が増大した」事実は、市民が左右両政権党に失望したからです。左派市民は「より左」の、右派市民は「より右」の「根本的解決」を求めていたからに他なりません。これが極右と極左の拡大の理由です。またフランス市民が右傾化しているわけではない事は、第一回投票の直後から「極右ルペン打倒」の自然発生的なデモが各地で始まり、それが巨大な全国的デモとなった事に端的に顕れています。 今回、社会党右派のロワイヤルが大量に得票した理由は、左派フランス市民が右傾化してきたからではなく、前回、極右ルペンを「決選投票に進ませてしまった」という「悪夢」に縛られているからです。また、同じその悪夢が、投票率を85%もの高率に引き上げた原因と思われます。したがって、社会党右派ロワイヤルが高得票となったのは、それより左の勢力を支持する市民も「ルペンを落選させるためにしかたなく」ロワイヤルに投票したからであって、フランス市民の右傾化を意味するものではないと考えられます。ちょうど都知事選で多くの共産党系吉田氏の支持者が「極右石原を落選させるために」浅野氏へ投票したのと同じ現象がフランスでも起こったのです。 ●今回の結果は左派の主体的責任である 前回2002年の反資本主義左派の得票率は、トロツキスト三派合計で10・44%、共産党が約3・37%、緑の党が5・25%。これらを合計すると19・06%となり、社会党ジョスパン(16・18%)やルペン(16・86%)を超えて二位となります。もしも今回、それらの勢力にボヴェも加わった統一戦線が登場できたら、左派市民は、ルペン打倒のためにしかたなく右派社会党ロワイヤルに投票するかわりに、この統一戦線へと投票を集中したでしょう。そうしてもしも反資本主義統一戦線候補がロワイヤルをやぶって決選投票に残れば、先進資本主義世界最初の「反資本主義大統領」の誕生も夢ではありませんでした。日本の政界と市民の意識の遅れを思うと、これは驚くべき事です。 残念ながら、その反資本主義統一戦線候補擁立が失敗したのは、各派がそれぞれの思惑により「自分が統一戦線候補となりたい」と言うセクト主義的思惑を優先し、それ以外の最も重要な項目である「反資本主義」原則の貫徹=社会党にも妥協しない、という部分について曖昧であったためだと思われます。その原則を唯一、非妥協的に貫いたLCRも、結局独自候補ブザンスノーを立てて闘わざるを得ませんでしたが、統一戦線の共闘相手であったすべての党派が大きく得票を減じて1%台へと転落したのに比べると、ブザンスノーのみが唯一前回とほぼ同程度に踏みとどまった(得票数では前回の121万票から150万票へ増大した)事実は、原則を貫いたLCRに対する市民の信頼は失われていない事を意味するのだと、僕は理解しています。 |