フランス大統領選挙の教訓 まっぺん No.01807 at 2007/04/26 16:11

まっぺんです。

私は先日の都知事選挙において「吉田さんの公約が石原に対して最も対決するものである」と述べてきました。しかしそれでも浅野さんを推す理由も述べてきました。それは「誰がいちばん正しいか」よりも「どうやったら石原に勝てるか」を優先する気持ちからでした。また、浅野さんを応援する勝手連の要求によって浅野さんのマニフェストは少しずつ進化し対決姿勢を強めていきました。この東京都知事選に対する経験と観察に踏まえて、立場は違っても同じ「石原慎太郎打倒」の志を持って選挙を闘った皆さんに、フランス大統領選挙について、ぜひお伝えし、そこから共に教訓を得たいと思います。第一回投票の結果は次の通りでした。
http://www.ourcampaigns.com/RaceDetail.html?RaceID=41758 より

ニコラ・サルコジ/国民運動連合 31.18%
セゴレーヌ・ロワイヤル/社会党 25.97%
フランソワ・バイル/フランス民主連合 18.57%
ジャン・マリ・ルペン/国民戦線 10.44%
オリヴィエ・ブザンスノー/革共同 4.08%
フィリップ・エ・ヴィイェール/フランス行動党 2.23%
マリー・ジョルジュ・ビュフェ/共産党 1.93%
ドミニク・ヴォワイネ/緑の党   1.57%
アルレット・ラギエ/労働者の闘争派 1.33%
ジョゼ。ボヴェ/独立派(農民闘争の英雄) 1.32%
フレデリク・ニハウス/狩猟・釣り・自然・伝統 1.15%
ジェラード・シヴァルディ/労働党  0.34%

●教訓1

フランス大統領選挙の場合も前回2002年の時と比較すると分かる事があります。まず投票率が前回の約70%と比較して85%へと増大している事です。また前回は中道左派(社会党)と中道右派が票を減らして極右ルペンと左派(トロツキスト派)が伸びたのに対して、今回は、ルペンが前回より100万票も減らし、また左派も社会党ロワイヤルに集中した分、他の左派の票は激減しました。

左派がロワイヤルに集中した理由は明らかです。前回、左派がトロツキストなど「反資本主義左派」に流れたため社会党ジョスパンが極右ルペンよりも少なかったため、第二回投票に残ったのが右派シラクと極右ルペンとなり、左派が残る事ができなかったから、それを恐れて初めから社会党に投票する者が多かったからです。つまりフランス左派市民は「ルペンを打倒するためにロワイヤルに投票した」者が多かったのです。これは「極右石原を打倒するために浅野候補に投票した」人々が共産党支持者にも多くいた(らしい)のと似た行動ではないかと思います。…これを「教訓の1」としておきます。

●教訓2

ロワイヤルは社会党ではありますが、労働者の自己責任や、福祉の切り捨てを公言するなど、自公民主流とも似た保守的な立場を取っています。これに対して、それより左の「反資本主義左翼」といわれる勢力が存在します。欧州憲法拒否の運動の時にフランス各地に作られた「コレクティフ」という地域運動組織が連帯し「自分たちの統一候補を擁立しよう」とする運動がそれでした。その要求に従って、共産党、革共同(第四インター)、労働者の闘争(もうひとつのトロツキスト)、ジョゼ・ボヴェ(農民活動家)が集まって会議を開きました。

この会議で革共同は「誰が大統領候補になるか」よりも「社会党に対して非妥協的であること」=入閣しない事を条件としたのですが、他の候補はそこを曖昧にし、「自分が一番正しいから候補者となるべきだ」との立場をとり続け、その結果統一候補擁立は実現しませんでした。中でも共産党は自分たちの勢力を使って「コレクティフ」を増やすというセクト的対応をとりました。そのため左派の各派はそれぞれ独自候補を立てて闘う事になりました。結果はどうなったでしょうか。2002年と比較すると次のような結果となります。


革共同
共産党
緑の党
労働者の闘争
ジョゼ・ボベ
2002年     
1210694 4.25%
960757 3.37%
1495901 5.25%
1630244 5.72%
(立候補せず)
2007年     
1498835 4.08%
707327 1.93%
576758 1.57%
488119 1.33%
483076 1.32%


統一戦線と非妥協的に「反グローバル資本主義」にこだわり続けたフランス革共同だけが辛うじて4%台を維持しました。得票数ではむしろ30万票近く増大しています。しかし「自分が一番正しい」と主張して分裂した他の左派候補は軒並み半分から3分の1に得票を減らし、パーセンテージでは1%台に落ち込んでいます。これを「教訓の2」としたいと思います。この結果をどう分析するべきでしょうか?

●さざなみ通信の投稿から

昔ブントに所属していた「草加耕助」さんという方の文章が紹介されています。そこからも読みとれる事なのですが、小選挙区制に移行した事で、日本の政治制度は、ますます保守派に有利、「政治家」に有利であって、投票する我々の側の意向を反映しにくくなっています。こうした制度の中でもなお共産党は、到底当選するはずもないような地域にまで沢山の候補者を立てて闘っています。そのため6億もの供託金が没収されているとか。これだけのエネルギーと資金があるなら、もっと有効な闘い方があるんじゃないでしょうか? 「共産党のためだけの闘争」ではなく、市民運動全体にとって有効な闘い方を展開する事で、総合的に共産党も強くなっていくのではないかと思います。共同闘争の発展のために共産党、革新都政をつくる会の皆さんがもっともっと広く手を差し伸べてくださる事を期待したいと思います。


No.01809 at 2007/04/26 16:46 from まっぺん

仏大統領選挙資料

●ウィキペディア百科事典より「2002年フランス大統領選挙」
http://ja.wikipedia.org/wiki/2002%E5%B9%B4%E3%83%95%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%B9%E5%A4%A7%E7%B5%B1%E9%A0%98%E9%81%B8%E6%8C%99

●ウィキペディア百科事典より「2007年フランス大統領選挙」
http://ja.wikipedia.org/wiki/2007%E5%B9%B4%E3%83%95%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%B9%E5%A4%A7%E7%B5%B1%E9%A0%98%E9%81%B8%E6%8C%99

●2007年フランス大統領選挙 最終開票結果
http://www.ourcampaigns.com/RaceDetail.html?RaceID=41758

●革共同候補オリヴィエ・ブザンスノーの声明
http://www.jrcl.net/web/frame070430v.html